諸行無常」カテゴリーアーカイブ

ブログ

かつて「ブログ」というものがあった。 この国において 「ブログ」というのは読むものというより むしろ書くもので、それは日記のようなものだった。 著名人が書くものを そのファンが集中的に読むということはあったにせよ 大部分 … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | ブログ はコメントを受け付けていません

言語

言葉は便利だからできたのだろう。しかし、伝達の性能としては細い細い一本の道でしかないと私は思う。それが、通信、というものである。たとえば、ファイルをインターネットで送るのであれば、ファイルは紐のように分割されて、少しづつ … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 言語 はコメントを受け付けていません

記憶の雨

思い起こしてみると記憶に残っている風景はいつも雨が降っている。茶色く濁った川がごうごうと流れていて私は傘を差している。晴れた日の記憶がドーナツのわっかのように抜け落ちている。トタン屋根に落ちる雨は歌をうたっている。そして … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 記憶の雨 はコメントを受け付けていません

借用

等圧線のドレープが見えてくると雨の季節が近づいていることがわかる。そうして進んでゆくように見えて実は戻ってゆくのかもしれない。私たちは生まれてからたくさんのものを手に入れるが、やがてたくさんのものを返してゆく。いっぺんに … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 借用 はコメントを受け付けていません

想像力

先天的に才能を持っているひとの訓練方法は万人に適用できるものではない。つまり、ただひたすら同じことを繰り返してもたいして能力は向上しないのではないかと思う。ひたすら素振りを1万回繰り返しても凡人にホームランは打てない。「 … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 想像力 はコメントを受け付けていません

二〇一八

ずいぶんと 流れたのは 川なのか 時間なのか わたしには分からないけれど、 決して遠くまできたわけではなくて 川に流れる水が いつも同じ水に見えるように 何も変わっていないように見えて 私は川の淵に立って 流れてゆくもの … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 二〇一八 はコメントを受け付けていません

ヴェニス

ヴェネツィアに行っていた。 夏のヴェネツィアのことを知りたかった。 イメージすることは どんな場合も経験にかなわない。 想像力がうまく働くのは しっかりと経験を持っていることが必要なのだ。 ゲットーの広場に風が吹いていた … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | ヴェニス はコメントを受け付けていません

夏のこと

いつの間にか変わっているのが 季節というものだとしたら それは季節のことを あまり見ておらず いつも考えていないということだと思う。 想いを費やしていないことは 「いつの間にか」変わる。 深く物事を見て いつも考えるよう … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 夏のこと はコメントを受け付けていません

闇の光

東の空には丸く大きく見える月が 西の空には遠く花火が上がっていた。 どん、どん、と低い音が ずいぶん遅れて私に届いた。 ベランダにはぬるい風が吹いていて、 今暮れたばかりの空の端に まだいくらかの光が残っている。 夏なん … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 闇の光 はコメントを受け付けていません

文月二千十七

七月にもなると 世間は七夕などと言って 願い事を短冊に書いて吊るすのだろう。 私には家族というものがないから、 ささやかな願い事を ひとに見せる機会もないだろう。 そういえば 世界はいつからこんなに速くなったのだろう。 … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 文月二千十七 はコメントを受け付けていません