諸行無常」カテゴリーアーカイブ

ヴェローナ

ナポレオンボナパルトに徹底的に破壊され、 作り替えられたから ナポレオンボナパルトのことはよく思っていない。 彼はそう言った。 北緯45度26分。 ほとんど全ての橋はドイツ軍によって破壊され、 第二次大戦の後に架け替えら … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | ヴェローナ はコメントを受け付けていません

ダイヤルする

トレヴィーゾのホテルは ダイヤル式の電話だった。 円形のダイヤルに開いた数字の穴に指を入れて回し それがバネで戻って番号を通知するもの。 このごろ日本ではあまりダイヤル式の電話を見ない。 調べてみると、回線自体が廃れたの … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | ダイヤルする はコメントを受け付けていません

ヴェネツィア

旅客機は私の中の時間よりも速く 空を飛んでしまうものだから、 私の中を刻む時計が狂ってしまって 私は少し時空をはみだしている。 前線は万国旗を渡したように横たわっていて 亜細亜の湿度が私を取り囲んでいる。 旅から帰るとい … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | ヴェネツィア はコメントを受け付けていません

トレヴィーゾ

十日間ほどイタリアに行っていた。 トレヴィーゾという町は北部にあって、 観光客の少ない、静かな町。 日本で売っているガイドマップには ほとんど載っておらず、 情報は見知らぬ誰かのブログのみだった。 メストレから、どこ行き … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | トレヴィーゾ はコメントを受け付けていません

旅について考えている。 私の棲む世界は 思ったほど暖かくなっていない。 修繕工事は続いていて 夜遅く帰ると 毎日何かが変わっている。 溶剤の匂いが低く流れている。 昨日の帰り道 上司の家の前を通りがかったら ドイツ製の高 … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 旅 はコメントを受け付けていません

春のゆく

たった一日で何もかもが変わってしまって、 そういう悲しみや苦しみを 吸い取るものも無いとき 川のように流れてゆく時間の音を じっと淵に座って聞いている。 静かにしていないといけないと思う。 ほんとうは、ずっと前から少しず … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 春のゆく はコメントを受け付けていません

団体

いくらかの団体で行う花見とか バーベキューというようなものに行くと、 ぽつんとする。 自分の存在というものについて 考えてしまう。 すなわち同じ空間の中で共有すべき 価値観というものから 私がどのくらい離れているか とい … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 団体 はコメントを受け付けていません

信頼

世の中で起きていることは どんなことも奇蹟みたいなことだから いちいち喜んだり悲しんだりしてもいいと思う。 そんなことを言うと 自分もずいぶんと遠くに来てしまったのだなと つくづく思うのだけれど、 先輩の言うことはほとん … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 信頼 はコメントを受け付けていません

おちてゆく 花びらのことを見ている。 強い星の引力にも舞って見せるのは 夢のような想い出につながって そうして記憶の中に静かに着地する。 どんなことも浮遊する。 とどまって見えるときは 引き寄せる力と 離れてゆこうとする … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 風 はコメントを受け付けていません

四月

桜が咲いている。 春がやって来たのだろう。 私は遠く眺めている。 ポケット壜には少しウイスキーが入っている。 喧騒から離れて 川沿いの道をひとり歩いている。 いびつになってはいけません。 それだけを気をつけていればいいん … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 四月 はコメントを受け付けていません