投稿者「ino」のアーカイブ

夕暮れの意味

休みの日にベランダに立って 冬の日が暮れてゆくのを見ていた。 太陽はオレンジ色で山の上にあった。 何度も、何度も見た景色だけれど、 いつでも私は変わっているから 私と太陽の関係もまた変わっている。 私が見えているものは、 … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 夕暮れの意味 はコメントを受け付けていません

やさしい暴力

あらゆる暴力が世の中にはある。 そのようなことに人々は気づいておらず、 自分が傷ついて血を流しているのに 何も手当をしないで、足を引きずりながら 荒野を歩いていたりする。 殴られることだけが暴力ではない。 友達に無視され … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | やさしい暴力 はコメントを受け付けていません

小さな地球儀を持っている。 くるくると回しながら何だか不思議な気持ちになる。 私はこんな玉の上に住んでいるのに、 地球の引力のせいで、 まるで平らなところに居るような気がしている。 年末から少しイタリアに行っていた。 「 … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 光 はコメントを受け付けていません

暮れ

時間とは波のことであって すなわちそれは光のことでもある。 わたしたちは波打ち際にいて 星を数えている。 バラバラに壊れたものを もういちど拾い集めて 丁寧に繋ぎ合わせて ほぼそっくりに戻そうとしている。 見かけは何も違 … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 暮れ はコメントを受け付けていません

無言

寒さは ストレスのひとつ。 ヤンガルバレスクの サックスのように どこまでも青く届いて 冷たく落ちてゆけば いいのだけれど。 我々は生きなければならない。 それが使命というもの。 だから冬は ストレスがひとつ多い。 浴槽 … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 無言 はコメントを受け付けていません

増減

冬が進むと青空が増える。 そして寒い日が増える。 色々なことが増えてゆくことに 私たちは敏感に反応するけれど、 どんどん減ってゆくことに対しては 無頓着なものである。 多くのことの総量は同じで 一方が増えれば一方が減る … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 増減 はコメントを受け付けていません

師走

人はとても細い糸で繋がっている。 十二月にもなると そのようなことを考えるようになる。 風の冷たさが 想いの矢印を 内側に向けるのだろう。 寒い朝、 目覚まし時計は けたたましく私のことを 眠りの底から引きずり出し、 私 … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 師走 はコメントを受け付けていません

Satori

世界は黄色く それは風によって移動する。 カサカサと音を立てて 道路に渦巻いている。 ずっと昔、「Satori」という名前の スクリーンセーバーがあった。 サイケデリックな波紋が 画面の中をうごめいていた。 そんな感じを … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | Satori はコメントを受け付けていません

想像の先

しばらく前に那覇に行った。 沖縄は初めてだった。 当たり前だけれど空気の感触が まったく違って 日本だけれど日本ではない気分になった。 どこか遠いアジアの国に来たみたいだった。 それはテレビで見たり、 話に聞いたりしてい … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 想像の先 はコメントを受け付けていません

おもちゃ

あまりおもちゃを持たない子供だった と記憶している。 次男だったし、田舎すぎておもちゃ屋と いうものがほとんどなかった。 隣町に行けばあったが、 父親は私が5歳の時に トヨタのパブリカを買うまで 車を持たなかったので、 … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | おもちゃ はコメントを受け付けていません