投稿者「ino」のアーカイブ

フィクション

たとえばある日、巨大な隕石が 地球に向かっていることが突然判明する。 そのようなものが地球に衝突したなら 人類は消滅するであろうと科学者がテレビで言う。 あらゆる人々に終末がやってきて 世界は憂に包まれる。 そしてむき出 … 続きを読む

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物語

桜が咲くところを見て、 桜が咲いているところを見て、 桜が散るところを見る。 それはひとつの物語である。 物語は こころに何かを残す。 そのようにして春は 意味をもつことになる。 一部始終を 見ていることである。

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四月

今年は四月が来ないような気がしていた。 私の知っている四月ではない。 そんな気がする。 誰か知らない四月がそこにいて 私はどう接したらいいのか分からない。 近しく感じていたのは たぶん私だけで あなたはそうでもなかったの … 続きを読む

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想像力の信憑性

だいたい一本に一花か二花 桜が咲いている。 安定しないのが春というものだとしても 雨粒は落下し 冷たく黒く沈んだ空 煙突の煙は南に長くたなびいている。 地球はターンテーブルのように回転し 私たちのうたを再生する。 様々な … 続きを読む

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春はどこに来るのか

去年の春を覚えているか というとちょっと怪しい。 私は去年の春に何を想い何をしていたのか 全然思い出せない。 存在というのは希薄なものだ。 宇宙の暗闇に 黒い点を打ったように存在し、 何とも関連を持っていなければ そこに … 続きを読む

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寿命

十年が過ぎると たいがいのものは壊れる。 機械は動かなくなる。 そういうふうになっている。 たぶんそれは、作る側が 十年ももてばいいだろうと 思って作っているからだろう。 もちろんそれを構成する部品の 供給期間を設ける上 … 続きを読む

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弥生

三月になった。 月末には桜が咲くのだと 気象予報士は 相変わらずテレビジョンの 四角い枠の中で言っている。 私も そうだ桜が咲くのだろう なにせ三月だから そう思っている。 当たり前のことを 権威のバトンを持つ人が言うと … 続きを読む

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淡い日々

季節の変わり目というのは 実のところ大変なせめぎ合いで 冷たいものと暖かいものとの 戦いなのだけれど、 私はなぜかそれを淡く感じ取る。 気圧の変化が 私を眠りに誘うからかもしれない。 春先には夢をたくさん見る。 ディテー … 続きを読む

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ほんとうのこと

「ほんとう」はいつか嘘になる。 そのことを私たちは知ってしまった。 だから私たちは 「ほんとう」を求める人になった。 あの日を境に 新聞を取るのをやめた。 テレビの言うことを信用しなくなった。 そして外に出るようになった … 続きを読む

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揺れる時間

ピアノを習っていると 自分について知らなかったこと 意識していなかったことを 色々と知ることになる。 それが面白くて ピアノを弾いている。 誰かに何かを伝えたいわけでも 自己表現をしたいわけでもない。 それは延々と走り続 … 続きを読む

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