投稿者「ino」のアーカイブ

民意

二千二十年を超えたあたりから 何故だか私は年がよく分からなくなった。 今年は果たして何年だったっけとよく思う。 そもそも二千年というものは 宇宙を旅するような年だと小さい頃から 思っていたから、 私にとっては夢の時代なの … 続きを読む

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老人の発見

ときどき立ち飲み屋のカウンターなんかで 格言めいたことを大声で語る年寄りがいた。 歳を取るとあんなふうになるのか 嫌だなぁ、あんな年寄りにだけは なりたくないものだと思っていた。 そして年月が過ぎて自分も歳を取る。 いつ … 続きを読む

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小さな問題

生きてゆく上で大きな問題を 解決するのは難しいけれど、 実際に効果があるのは小さな問題を 取り除くことではないか。 そんなことをこの頃よく思う。 通る時にいつも避けなければならないような 邪魔な荷物をどけ、 重いドアは開 … 続きを読む

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師走

いつもばたばたしているような気がする。 あっという間に師走になってしまって あれ? おかしいなと思っている。 私にとって準備万端ということは どんな時もないのだろうと思う。 さて。

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言葉

言葉がぶくぶくと湧いて出てくるような そんな経験をしたことはなくて 捻り出す感じでものを書いているが、 なぜそうなのかについて あまりよく考えたことがなくて、 そうなんだから、そうなのだろうと 単純に捉えている。 しかし … 続きを読む

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眼鏡

九月になった。 今年は蝉が鳴き止むのが早い気がする。 発音していた全個体が亡くなって 失われたのだと考えると 秋の訪れというのは随分罪深いと思う。 眼鏡は体の一部じゃないと 誰かが歌っていたが、二本目の眼鏡を作った。 「 … 続きを読む

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温度

八月になって立秋も過ぎた。 太陽の傾きは増して残暑の光。 しかし南から吹く風は灼熱を運んでくる。 人間が許容できる「温度」は狭い。 四十一度の風呂には入れるが、 四十五度の風呂は熱すぎて入れない。 三十六度の体温は平熱だ … 続きを読む

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夢の夢

ぼんやりしているうちに 七月も半分過ぎてしまって 林では蝉が鳴いており 体温くらいの気温が続いたりして 間違いなく夏なのである。 しかしどうも私は これを夏だと認めたくないような そんな気持ちを持っているようだ。 人工的 … 続きを読む

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梅雨

梅雨に入ったとみられる 予報士は四角い画面の中で言う。 しばらく前から雨が続いていたから 雨の季節だということは十分わかっている。 しかし予報士のこの宣言が 世の中には必要なのだろう。 ひとは全てのことに名前をつける。 … 続きを読む

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企み

小説には企みがあるのだという。 私はその企みがよく分からない。 「この小説はこういう企みをもって書かれている」 と人から聞いて初めて、へぇそうなんだと思う。 そういうのを「全然小説が読めていない」 と言うのだそうだ。 私 … 続きを読む

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