新春シャンソンショー

新しい年が始まって、初めて昇った太陽は
雲のベールの向こう側にあって、
柔らかい光をぼんやりと放っていた。
いつものように、僕はベランダから見ていた。
それにしても、昨日までの太陽と
何も変わることがないのに、
初日の出、といって何か特別なものとして
それをありがたく思うのはなぜだろう。
新しい年には、新しい太陽が昇ると
いうことになっている。
新しさとはいったい何なのだろうか。
人は、いろいろな事に区切りを設ける。
たぶんそれが生きる事なのだろう。
いつも巻き尺を片手に、距離を測りながら生きてゆく。
新しい太陽に手を合わせて、願い事をしてみる。
でも考えてみると、願いを叶えるのは自分ではないか。
だから願うのではなくて、ここは誓うべきではないか。
あぁなんと釈然としない新年なのだろう。
いいや。
一般的な区切りに惑わされてはならぬ。

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