黄金週間というものはとりあえず
会社に行かないということがはっきりしていて、
それが自分にとって喜ばしいことであるという
現実は果たして良いことなのだろうか。
それはひとつのモラトリアムのようなことで、
会社というものに所属しているからこその
喜ばしさなのだろう。
そう考えると、ちょっとずるいような気がする。
それにしても、昼間の空を見上げることの
なめらかな気持ちは、この季節の特典のようなものだ。
洗濯物を空に掲げて、ぼんやりしていたら
晴れた空からぽつぽつと雨が落ちてきて驚いた。
見上げると、うちの上空だけ小さくて真っ黒な雲が浮いていた。
なんだか見透かされたような気がした。
洗濯物を取り込もうかどうしようか、迷っているうちに
雨は上がって、また陽が射した。
気持ちというのは弄ばれるためにあるのだろうか。
この頃、言葉が不格好になっているような気がする。
それはやっぱりまた自意識というものに
近寄りすぎているのではないかと思う。
一番遠ざからなければならない存在に近づいてしまうのは
足りない何かを埋め合わせるためだろうか。
とにかく春はゆくのだ。
忘れ物をしないようにしよう。