選別する仕組みを用意する

お店というもの、半分はお客さんで出来ている。
調度品のようにお客さんを選んで、そして配置している。
いいな、と思う店はそうやって、来るお客さんを
絞り込むような仕組みがある。
つまり万人受けするような要素から少し離れている。
たとえば立ち飲み。
それだけで、まず半分くらいの人は来ない。
そして飲み物もワインしかなければ、さらに半分、
がっつりした食べ物もなければ、さらに半分。
そうやって、自然にお客は絞り込まれて、
同じような指向性を持った人々が残る。
そうやって、店というコミュニティの一部になり、店の形を表す。
存在価値というのは、うまく選択する仕組みを用意することによって
自らではなく、構造として見えてくるものだと思う。

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