冬はロックで

冬だから寒いのは当たり前だよ、確かにそう思う。
思うけれど、当たり前には辟易している。
当たり前の事を当たり前だと思うことによって失われるものが
あるだろうと思うからだ。それは必然だろうか。

この間、レコードプレーヤーの上に乗っかっていたCDの山を片付けて
アース線をちゃんと繋いだら、ほとんどノイズの聞こえなかったので、
気をよくして、レコードをかけてみたら、なんかとっても良い音だった。
だいたいレコードプレーヤーの方がうちのぼろCDプレーヤーより
三倍も高かったのだから、まぁ当たり前ではある。
しかし、そうしてまた、当たり前のことに遭遇してしまったら、
これは何とか当たり前でない角度から、解釈をする必要があるのでは
ないか、そうしなければ、またひとつ失われる、そんなことを考えて
とりあえず、レコード屋に行って、手当たり次第中古レコードを
買ってみては、ターンテーブルにのせてぐるぐる回している。

今更こんなことを言うのも何だが、僕はレコードの音をあまり聴いては
いなかったのだなと思う。昔、レコードしかなかった時代は、レコードは
何度もトレースすると音質が落ちるからと思って、テープに録音して
もっぱらそのテープを聴いていた。なんと馬鹿だったのだろう。
レコードが駄目になる前に、レコードではない時代がやってきたというのに。

今夜は、ToToのTurn Backを聴いている。
高校の時に先輩のバンドでベースを弾いていて、ToToやるからな、
と言われて、散々聴いたアルバム。前に聴いたのはたぶん二十年くらい前だ。
懐かしいというよりは、なんだか新しく聴こえる。
結局バンドではToToはやらず、Bostonをやることになったのだったけど…
しかし、ベースだったのに、Gift With A Golden Gunのギターリフをやたらと
練習したのはどうしてだったっけ。

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