眠らないと言葉が出てこない。
それだけかどうか分からないけれど、
ここのところ、あまり込み入ったことを考えることができなくて
少し困っている。
恐ろしい夢を見ていた。
目覚めると、もう明け方だった。
あぁ夢でよかった、そう思った。
しかし、夢と現実の境目を明確にするようなものが
近くになくて、そのことを検証するのにいつも時間がかかる。
即席麺にお湯を注いだ時のように、ゆっくりと
現実が膨らんでゆくのを待つと、空の星が消えて
オレンジ色の朝がやってくる。
そうして、どんな恐ろしいことを体験したのか、
忘れてゆくのだけれど、それはとても
くたびれることだなと思う。