あわいろ

淡い色が好き。
淡い色は白ではない。
淡い色のものは意外と少ない。
目立たないからだ。
目立たないものが好き。
なぜなら、目立たないものは静かだから。
やかましいのは嫌い。
やかましいものは、ずっと遠く離れて
そして眺めると静か。
近づかない方が良いことが多いけれど、
それでは何も始まらない。
それは困ったことなのか。
始まりがなければ、終わりもないのだ。
人として始まってしまったら
人として終わらなければならないのだから、
そうして、始まってしまったことは
なんでも重いのだ。
そうやって重荷を背負って歩くのだ。
高く登ってはいけない。
真上から見れば、いくらも進んでいない。
高く登ることよりも、遠くへゆくことだ。
帰ってこなくてもいい。
帰るところなんてもとからなかった。
振り出しになんか戻れない。
みんな歳をとるから。
もう眠ろう。
眠ったら、起きなければならない。
それが眠りというものだろう。

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