ナンバー14

雨も、風も、それほどでもなかった。
靴箱を開けて、水が染み込みにくそうな靴を探したら
ほとんど新品同様のリーガルの靴があって
なんだ、こんないいのもってたんじゃん俺
と思って、それに防水スプレーをしてから履いて出掛けた。
しばらく歩いて、その靴がなぜ新品同様なのか思い出した。
くるぶしのところが、がんがん当たって痛かった。
これで歩き続けるくらいなら、裸足の方がいいや
と思えるくらいだったけれど、雨の中、
裸足で歩くわけにもいかず、なるべくつま先で
しかも大股で一日歩いたら超くたびれた。
靴って大切、ということがよくわかった。
僕は、その靴を靴箱に戻した。
きっとまた、忘れてこの靴を履くだろう。

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