茶色

茶色というのはあの色だから、日本茶は緑茶と言うのだろう。
小包の中で大部分を占めていたのは番茶の袋だった。
パッケージには「冬番茶」とあるけれど、最後に収穫する
茶の葉で作る茶だから、冬になるのが常なのではないかと思ったりする。
送られて来た茶は、茶葉の形がそのままで、まるで落ち葉のよう。
しかし、東京に出てきてから、番茶を飲むことがほとんどなかった。
スーパーでも茶屋でもあまり見かけない。
番茶のティーバッグなどというものも見たことがないし。
緑茶は高いので安い茶を飲みたいが、そうするとほうじ茶
になってしまう。ほうじ茶という茶は何か中途半端な気がする。
体から油分を奪うような気もして、なんだか喉が
いがらっぽくなるような気がするのは、気のせいだろうか。
久々に番茶を飲んでみたけれど、優しい味だった。
実家では、薬缶でぐらぐら煮出して、まるで漢方薬のように
濃かったから、だいぶん印象が違うのかもしれない。
この袋が空になるまで、僕は多分番茶を飲むだろう。

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