民意

二千二十年を超えたあたりから
何故だか私は年がよく分からなくなった。
今年は果たして何年だったっけとよく思う。
そもそも二千年というものは
宇宙を旅するような年だと小さい頃から
思っていたから、
私にとっては夢の時代なのである。
しかし、その夢の時代にテレビを点けると、
戦争と災害と汚職のニュースで
埋め尽くされていて、幸福な光はどこからも
もれてこないのである。
これはいったい、とういうことだろう。
科学がいくら進歩しても相変わらず人は
人の頭の上に爆弾を落とし、
人々は古い建物に住み、政治家は金を
ばら撒くことで人の支持を得ようとしている。
どこかで、私たちは間違ったのか。
いいや間違ってはいない。
根本的な人間の特性というものを
どのように制御するかということを
誰かが考えてくれるだろうと思い込んで、
自分は自分の仕事の事だけを考えていたから、
こんなことになっているわけで、
それは当然のことだろう。
代表者というのは「点」である。
面ではなくて点で支えられているのが
この世界のありようだとすると、
大昔と何も変わりはしないのである。
そういうことが分かってきた。

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