アンビエント

坂本龍一が弱っているらしい。
「12」という新譜を買った。
内容はアンビエントミュージックである。
私にはそう聴こえた。
アンビエントミュージックというのは
「環境音楽」と翻訳されることがあるが、
私的には少しニュアンスが違うと思う。
「音」と「音楽」の波打ち際にあるもの
それがアンビエントミュージックではないか。
ブライアン・イーノやハロルドバッドの
世界がその道筋を作っていると思う。
とても草臥れている時、
人の中には音楽は浸透しない。
「音楽で元気づける」とよく言うけれど、
音楽で元気づけられる人の中には
まだ元気つまり「気」の「元」が残っている。
「元」が残っていない人、
過度に弱っている人は元気づけられない。
自分も以前、アンビエントミュージックしか
聴くことができない時期があった。
アンビエントミュージックは
頑張れとか元気出せとか
余計なことを言わず、ただ寄り添う。
「12」の教授の気持ちが
私にはよく分かる気がした。

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