欠点を直さない

いつからが夏だろうか
と考えたりするけれど、
季節に区切りなどないのだった。
自然のものは何でも区切られてはおらず、
はっきり区切りたいのが人というものだ。
緩やかに変化することを
受け入れることから始めると
いいのだと思う。

どうして忘れちゃうの
この前、さんざん説明したじゃないか
と会社の同僚に言いかけて
気づいた。
覚えない、忘れる
というのは彼の欠点であるように見えるが、
彼はそうして自分を守ってきたのだ。
人の欠点は、その人を守る手段なのである。
単純にその欠点を修正すると、
彼は自分を守ることができなくなり
破損してしまうのである。
彼は覚えない、忘れることによって
この世界に生きることを
何とか続けてきたのである。
人の欠点を直すのならば、
その人を守るための違う手段を
考えなければならない。
そんなことを考えるよりもきっと
欠点を迂回して、何かを実現するように
工夫した方が早い。
修正すべきなのは彼ではなく私の方だった。
じゃあ作業をレシピ化して
ストックしておくようにしようか。
中身はなるべく抽象化してね。
私はそう言った。
工夫しよう私。

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