無言

寒さは
ストレスのひとつ。
ヤンガルバレスクの
サックスのように
どこまでも青く届いて
冷たく落ちてゆけば
いいのだけれど。
我々は生きなければならない。
それが使命というもの。
だから冬は
ストレスがひとつ多い。
浴槽に湯をためて
北欧のことを考えている。
閉じられてゆく門の前で
損なわれてゆく光を
憂へているけれど、
朝になればまた
開かれるのである。
問題は朝を待てるかどうか。
いつだって
立ちふさがっているものは
シンプルなもの。
雨に備えて
傘を鞄の中に入れておくこと。
丸腰では
戦えない。
わたしにまかせて。
そういう日が来ることを
憂へてはいけない。

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