入り口

いつだって入り口である。
夜、ベランダに出てみると
当たり前のように
オリオン座が昇っている。
季節はシフトチェンジをして
冬に向かっている。
車屋は私の留守番電話に
新しい車の試乗会があると吹き込む。
売りたい者は
買いたくない者にも
売り込みをする。
この頃は
疑問無く答えを求めることが増えている。
街角で若人は
訴えたいこともなく歌を歌う。
それはたぶん「スタイル」である。
形を求めている。
すべてのものごとに
形があるべきだと思っている。
人は歳を取ると
ネガティヴなことを記憶するのはやめて
ポジティヴな事だけを記憶するようになるのだと
アナウンサーは伝えた。
科学は多くのことを「証明」してみせるが、
どんなことも
ずっと昔から
感覚として分かっていたことである。
当たり前のことを
当たり前のように信じても
よいのではないかと思う。

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