追憶

どんなに嬉しかったことも
どんなに悔しかったことも
どんなに悲しかったことも
僕はきっと忘れるだろう。
そうしてそれらはただ
天井の染みのようになっているだろう。
僕はただ黙って
それをいつまでも眺めているだろう。
それは、どんな人とも
無関係であり続けるだろう。
窓の外で薔薇が咲いているのを
僕は知らないだろう。
やがて来る雷雨の音を
僕は待っているのだろう。

カテゴリー: 諸行無常 パーマリンク