ペットボトルは机の上で汗をかいている。
それが流れとなって、コースターを濡らす。
これは水である。
この水はどこから来たのかといえば、
私が吸っている私の周りにある
六月の大気に含まれていたのである。
「大気」
ただペットボトルが少し冷たいだけで、
見えないものが見えるようになるのである。
私は水滴を指でなぞってみる。
指先で水の感触を確かめる。
ただ冷たいだけで
ほんの少しの違いで
見えるもの。
見えてくるもの。
そんなことは当たり前で
ずっと昔から知っていたことなのに
この頃、とても不思議に感じるのは
なぜだろう、と思う。

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