おちてゆく
花びらのことを見ている。
強い星の引力にも舞って見せるのは
夢のような想い出につながって
そうして記憶の中に静かに着地する。
どんなことも浮遊する。
とどまって見えるときは
引き寄せる力と
離れてゆこうとする力が
ちょうど釣り合っているからで
それは穏やかに見えるけれど
ほんとうは
せめぎ合いのまっただ中で
がんばりすぎている。
川面に映るのは空で
その空の下に私がいて
花びらが舞っている。

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