十二月に入ると急に寒くなった。
冬の寒さを私は忘れてしまったのだろうか
と思うほどに寒くて
まるで年明けのような心持ちでいる。
ベランダで見る太陽は確かに低い位置にあって、
地軸の角度が変わっていることが分かる。
冬はなぜ寒いのか
ということについて
子供の頃に教わっただろうか。
教わったような気もするし、
教わらなかったような気もする。
冬は冬で寒いのが当たり前で
理屈など関係ないかもしれない。
しかし、知っていることによって
多少の希望というものが
持てるかもしれないと思ったりする。

この頃は、炬燵も蜜柑も売れていないのだそうだ。
四角いテレビがそう言っている。
本当か嘘かそれは分からないけれど、
季節が変わるからすることというのが
だんだん無くなってゆくような気がする。
所謂、風物詩というもの。
そういえば、実家では母が死んでから
餅というものをつかなくなった。
詩は人の中にあるのだろう。

「やさしさ」とは「共感性」なのだそうだ。
何かの記事に書かれていた。
価値観は多様化しているとメディアは言うが、
私にはそうは思えない。
グループ分けをして、その外側を見ないようにしている
というだけのことではないだろうか。
共感性ではなくて、共通性を求めるのが
今の世の中なのかもしれない。

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