そして私の舞台は暗転してから
風が吹いています。
どちらから風が吹くのかということが
様々なことを変えてゆくのでしょう。
「木枯らし」という言葉は
冷たさよりももっと別のものが
含まれているように思います。
それはメジャーセブンの音がします。
赤いギターを手に取ることが
めっきり少なくなりました。
弦の振動を体に受けるということが
よりどころだったころのことを
私はもう忘れてしまったのでしょうか。
いいえ、そうではなくて
きっと内包されたのです。
泡のようなものです。
エスプレッソを飲み干したときに
後に残るあれと同じです。
ところで朝までに風は
止むでしょうか。
私は北風に向かってペダルを
踏みたくはないのです。
いつの間に虫が鳴き止んだのか
あなたは知らないでしょう。

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