舎利禮文

存在というものはいったい何なのか
私は明解な言葉で表現することができないけれど、
関係性によってのみ実在することができる自分の
待ち針のようなものではないかと思う。

黒い雲が渦を巻いていて
それは空に闇をもたらす物で
やがて轟く雷の大音響。
たとえ朝が晴れていても、
次の瞬間にこうして何もかも変わってしまうことも
当たり前のようにあるのだ。
ドアを洗うように雨は降り
目の前の水路はごうごうと音を立てて流れている。
私は上空からそれを
長い間眺めていた。

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