残量

ハードディスクレコーダーの残量が少なくなったので、ディスクに焼いて
内蔵ハードディスクのスペースを少し空けるという作業をしていた。
1TBの容量があるのに、残量はいつも10GBほど。1パーセント程しか空いていない。
10GBで録画できるのは、せいぜい2時間ほどだ。
何かを録画したいとき、何かを消して、それから録画するということになる。
余裕というのはいつも、気が付くと無くなっている。そんなことの繰り返し。
例えばテレビの番組が全てオンデマンドで、いつでも見られるようになったとして、
僕はそれをどのくらい見るだろうか。きっと、見たい、そのうち見る、まだ見てない
常にそういう状態で、ほとんど見ないだろう。大容量のハードディスクレコーダー
というのは、僕にとってはきっと、見る「かもしれない」けれど、実際は見ない
情報をただ溜めておいて、いつでも見られる状態にしておきながら、多分見ない
という、何か下らない安心を得るための掛け捨ての保険のようなものになっている。
しかし、僕は、これなしではいられないのだ。こうして、自分のためにディスクを
焼くとき、そういう欲張りで、いやらしい自分の気持ちと向き合うことになる。
それもまぁ何かひとつの修行のようなものかな。そんな事を考えながら作業を
していると、いつの間にか日が暮れてしまう。日常に意味なんかないな。

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