ここのところ、言ってみれば
するりとした日々を過ごしている。
何かとても大切な、やらなければならない事が
あったような気がするのだけれど、
どうにも眠くて思い出せず、
塩分の濃い水の上を
ゆっくりと平泳ぎで泳いでゆくような
そんな感じ。
テレビというのは
あれは生きているのだろうかと思う。
どうも誰が見ているのか
知っているようなふしがあって、
昔好きだったバンドの再結成ライブや
昔好きだったドラマの再放送を
絶妙なタイミングで差しだして、
テレビの前から動けないようにする。
そういうことって気味が悪い。
それで、そういう番組を観たら、
最近はテレビの向こう側でも同じように
時間が流れるのが普通になったようで、
アーティストもまた歳をとっている。
そしてその顔に
私が見かけなくなってから
どのような人生を送ってきたのか
そういうことが刻んである。
社交的でない人、無口な人、
独りぼっちの人
そういう人はもれなく口角が下がっている。
だんだん魚みたいな顔になって
少し怖くなっている顔が。
顔の筋肉は、喋ることと食べること
くらいしか使わないから、
口数が減るとすぐに落ちて影がさす。
自分も最近鏡を見る度に
ずいぶんと口が下がっていて
これはまずいなと思う。
独りものは怖い顔になったらおしまいである。
誰も近づいてこなくなる。
ちょっとおかしな
笑える顔でないとだめだ。
口角を上げるストレッチというのを
やってみている。