ソロ

いったん草臥れてしまうと
どうしようもなくなる。
自分のために食事を作るということが
果てしなく面倒になる。
そしてよくない炭水化物の類を
生きるために摂取していることへの
くだらなさについて
嘆かわしく思う。
しかし、何が面倒なのか考えてみると
それは調合することへの
構えと不安なのである。
要するに食材をそろえて混ぜ合わせ
調理するということが面倒なのである。
なんだ、それでは
レシピというものから開放すれば
いいのではないか
そう思って
食材をソロ活動させることにした。
ピーマンはピーマンだけ、
小松菜は小松菜だけ、
葱は葱だけ、
キャベツはキャベツだけ、
トマトはトマトだけ、
キノコはキノコだけ、
それぞれ炒めて塩胡椒だけで味を付ける。
そういうものを作って少しずつ並べ
食べてみると、
なんだか不思議に救われた気持ちになった。
オーケストラやバンドサウンドに疲れたら
ピアノソロを、ギターソロを
聴けばよいようなものだ。

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