砂の嵐

空の向こうから黄土色が押し寄せてきた。
そうして、すっぽりと砂の嵐につつまれ、
ごうごうと風は吹き付けて景色は失われる。
私は、洗濯物を急いで取り込んで、
変わってしまった空を見た。
ただ、温度が変わるだけで、こんなにも世界は
変わってしまうものなのだ。
平均台の上をそっと歩いているような
そんなバランスで普通というものが成り立っている。
それはごまかしではなくて、
当たり前というものがあると信じたい
人々の願望みたいなものかもしれない。

いくら上手に歌が歌えても、
いい声で歌わなければ誰も聴こうと思わない。
それは圧倒的に素性の問題なのだ。
努力で報われることと、そうでないことがある。
特性に合った方向というものを
見つけなければならない。
しかし、必ずあるのだそれは。
間違わないこと。
よく見ること。
それがたいせつなのだろう。

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