私が何か書かない間も
当然のように地球は回転していて、
太陽は昇ったり沈んだりして
季節は動いてゆき、
冷たかったり暖かかったり
そういうことを繰り返して春というものが
また巡ってくる。
日々の出来事もまたそのような流れの中を
浮いたり沈んだりしながら
海のようなものを目指している。
当たり前のことに何か特別な意味が
あるような気がするようになったら、
それは歳をとったということだろう。
冬の太陽は覗き見をしている。
しゃがみこんで、
部屋の奥を覗いたり、
裸の木々をすり抜けて
森の奥深くを覗いたりする。
隠れようがないのは
冬の私たちだ。
掃除機をかける。
窓を開けて空気を入れ換えよう。
北側の窓は危険。
薄く開いただけで、カーテンを膨らませて
彼らは乗り込んでくる。
そしてバタンとドアを閉めてしまう。
冷たい気配があっという間に
部屋に充満する。
そして私は、洗濯物を取り込んで、
珈琲を入れ、
風の音を聴きながらそれを飲んでいる。