リスが逃げているという。
台風で木が倒れて
ケージが壊れたのだそうだ。
サツマイモを入れたネズミ取りが仕掛けられ
所員が虫取り網を振り回して
リスを捕らえようとしている。
しかしリスは、何から逃げたのだろうか。
行動範囲を制限されることだろうか、
毎日、見せ物にされることだろうか、
それとも、ありふれた日常だろうか。
そして、リスは捕まる。
ネズミ取りで虫取り網で。
見つけたら連絡をと書かれている。
お尋ね者のリスである。
昔はこのあたりにもリスが沢山いたのだという。
リスは逃げたのではなくて、
放たれたと言うべきではないだろうか。
リスのことを少し考えた。
それが日曜日のベッドの上の私である。
気づくとまたしても太陽は傾いて
夜の気配が部屋の隅から増殖してくる。
繰り返される毎日は
いつか終わるのだろう。
しかし、終わるまで繰り返すことによって
今を保っている。
なんだろう、結局、イエスかノーか
その二つしか選択肢というものはないではないか。
しかし、それは枝分かれしている。
ちゃんと沢山の選択をこなすことによって、
独創というものは生まれる。
適当にしないで、ちゃんと選ぶことを心がけよう。