雨が降っている。 夜の雨。 窓の向こう側から雨の音。 ところで私のほとんどは、水でできている。 水の星に生まれたのだから 当然といえば当然なのだが、 雨を見るたびに、そのことを考える。 考える水になる。 摂っても、摂っても、やがて出て行く 水は体を作っているというより、 体に流れ込んで、体から流れ出す。 小川や土管の中を流れている水と たいして変わらないのだ。 そうして水は時々意志を持って何かをして そしてまた、この星の全体にばらける。 私もそういう水の一部だ。