距離感

この頃は以前に比べて車によく乗る。
車を小さくしたことによって
取り回しがよくなった、
ということもあるが本当のところは
人混みが嫌いだからである。
コロナのせいで減便したままなのか
電車はいつも混んでいるような気がする。
人の流れに乗り、人を避けながら
すいすいと歩ける人ならばよいが、
田舎育ちのせいか私は、のろまで
人を避けて歩くだけでくたびれる。
知らない人が至近距離に居るのもそう。
自転車も同様に何かを避けながら
乗らなければならない乗り物だし、
そうなると車が一番楽なのである。
鉄とガラスでできた箱に守られていて、
他人とは隔てられている。
しかし、この頃の問題は
法律の改正によって自転車が
車道を走るようになってしまったことだ。
車は左端を走る自転車を避けながら
走らなくてはならない。
私はなるべく左車線を走らないように
車を運転する。
近くてもすぐに高速道路に乗ってしまうのも
そのせいだ。
そう考えると、そもそも私は
都会に向いてなかったのではないかと
都会で四十年も暮らしてから思うのである。

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