音色

歌というのは声なんです。
逆に言うと声というのはすなわち歌です。
喉の奥にある帯が振動して
空気を震わせるそれが
私に届くとき
それは「歌」になる。
人が人を好きになるわけは
容姿でも性格でも歌が上手いからでもない。
それは声の音色である。
音の波が好みにマッチするのである。
音声認識である。
音色認識である。
声には形があり、結合のしやすさがある。
ずっと前に死んだ人の容姿は忘れても
その声を覚えている。
人を見るのではなくて
人を聴いていることに注意して
耳を澄まそう。

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