愛着

パソコンの寿命はどのくらいだろう。
ずっと昔は2年くらいだと思っていたが、
この頃は性能も行き着いた感もあって
何か新しいことをしようと思わなければ
ずいぶんと長く持つようになった。

つい最近まで使っていたiMacは
10年前に買ったものだった。
新しい版のOSではサポートされない機種に
なってしまい、古いOSを使っていたが
Webを見たり、動画サイトを見たり
サブスクで音楽を聴いたりするのに
不自由はなかった。
しかし、パソコンにとっての10年は
人間で言うとたぶん80歳を超えた
感じなのではないかと思うと
少し不安になったのもあって
新しいMacbook Airを買った。

自分は新し物好きだったような気がするが、
意外と小心者なので大物はあまり買い替えない。
前の車は17年乗ったし、
今の洗濯機は12年目である。

新しいmacにディスクの中身を移し替えて
一旦電源を落として
再起動したら、彼はもう起動しなかった。
しんと静かで
暗い画面のままだった。
もしかして私が新しいのを買うまで
彼はぎりぎりのところで頑張って
くれていたのだろうか。
そう思うと古いiMacが愛しくなった。
愛しさとか思いやりというのは
実はタイミングとか「間」の取り方
なのかもしれない。

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