月別アーカイブ: 2017年5月

いつからが夏だろうか と考えたりするけれど、 季節に区切りなどないのだった。 自然のものは何でも区切られてはおらず、 はっきり区切りたいのが人というものだ。 緩やかに変化することを 受け入れることから始めると いいのだと … 続きを読む →

夜に ジャスミン流れていた。 よく見ると 生垣に白い花たくさん咲いていた。 その香りは 幼い頃に忍び込んだ 製茶工場の暗がり思い出させる。 蒸した新茶の葉 ベルトコンベアー昇って行く。 青い香り時空を越えて 過去の扉開け … 続きを読む →

彼女は不機嫌そうに見えた。 電車の向かいの席に座って、 眉間に皺を寄せ、右斜め上を睨んでいた。 右斜め上には何があるのかというと 特に睨みつけるようなものは何もなかった。 真ん中で分けたストレートの髪は 肩よりも少し長い … 続きを読む →

五月が静かにやってきて 空と雲の関係が変わってくる。 風は南側のカーテンを揺らす。 もしもブラインドであったならば 風との関係性はもう少し金属的だったはずだ。 レースのカーテンは滑らかに波打って 何かを言いたげに見えるが … 続きを読む →