揺れる時間

ピアノを習っていると
自分について知らなかったこと
意識していなかったことを
色々と知ることになる。
それが面白くて
ピアノを弾いている。
誰かに何かを伝えたいわけでも
自己表現をしたいわけでもない。
それは延々と走り続ける
長距離走者のようにもある。
彼らも記録や勝ち負けだけでは
ないものがあるから走るのではないか
そんなことを思っている。
あなたは拍感覚が乏しいから
音楽を正しく組み立てられない。
師匠はそんなようなことを言う。
拍感覚というのはリズム感的なことかと
最初は思ったのだが、そうではなかった。
足並みのように一定のテンポで
繰り返す拍子のつらなりのことである。
それは流れてゆく時間を
表す秒針のようにでもある。
それが正しく刻めないということは
自分の中の時間が揺れている
ということではないかと思う。
正しく刻む感覚を身につけたいと思う。
そうすれば世界を
音楽的に解釈することができるだろうか。

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