夕暮れの意味

休みの日にベランダに立って
冬の日が暮れてゆくのを見ていた。
太陽はオレンジ色で山の上にあった。
何度も、何度も見た景色だけれど、
いつでも私は変わっているから
私と太陽の関係もまた変わっている。
私が見えているものは、私も見えている。
そのはずだと思う。
線香花火の火の玉が
どぼんと水に落ちるように
太陽は山の向こうに落ちて行った。
後に残るのは闇と青の境界だ。
美しさとは何だろうか。
暗黒の闇と、眩しく輝く光の間を
磨りガラスのようなグラデーションで
淡く繋いでいることではないか
私はこの頃そんな気がしている。
山の頂上と谷底の関係ではなくて
なだらかに描かれるべきなのだ。
私の体はすっかり冷えていた。

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