月別アーカイブ: 2016年6月

神様

もしも、神様と渋谷あたりで 待ち合わせをすることになったとして、 待ち合わせ場所をちゃんと決めなかったから 近くまで来たら電話をかけて 「もしもし、神様、今どこですか」 と私は聞くだろうか。 きっと私は神様に電話番号を訊 … 続きを読む

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ペットボトルは机の上で汗をかいている。 それが流れとなって、コースターを濡らす。 これは水である。 この水はどこから来たのかといえば、 私が吸っている私の周りにある 六月の大気に含まれていたのである。 「大気」 ただペッ … 続きを読む

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倍音

鬱陶しい空と湿った風 六月のページが過ぎてゆく時、 広い河の淵に立って 流れてゆくものをただ無言で 受け入れているような気分。 歌でも歌えればいいのだけれど。 アコースティックギターの弦を 新しいものに張り替えた。 前に … 続きを読む

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主人公

私は果たして私の物語の主人公なのだろうか そんなことを時々考える。 作家は言った。 主人公には嫌いな人を据えることが多い。 なぜなら、好きな人が主人公だと やがて正義を語り始めるからだと。 正義は物語を破壊し胡散臭いもの … 続きを読む

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人は歌うように話している そう読んだ時、やっぱりと思った。 その言葉がいつまでも残っている。 音韻というものをやりとりするからこそ 人は気持ちを伝えられるのだと続いていた。 人工的に合成した音声で 会話をしようとする場合 … 続きを読む

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水無月

「梅雨に入ったとみられる」と 予報士は曖昧な表現で雨の季節を告げた。 暖かさと冷たさの境界線上で 私は窓を薄く開け、それを確かめる。 ゆうべ蛍を川に放ったと聞いたので 歩いてみたけれど、 二〜三匹しか光を見つけられなかっ … 続きを読む

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