月別アーカイブ: 2016年1月

零下

つめたい夜が続いている。 丸い月が冷えた街を暗く照らして 靴の音が変わったのがわかる。 雪など降って、 路面が凍結すると、 人と地球との関係は あっという間に険悪になる。 その程度の危うさで 世界はできあがっている。 私 … 続きを読む

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エンタングル

ひとりになりたいから旅に出る と、その人が言うのを聞いて、そうなのかと思った。 私は旅に出なくても ずっとひとりだからである。 もちろん人は、自分の思うように生きていれば いいのであるから、かまわないのだけれど、 何かど … 続きを読む

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明け方

雪が降ったのだと予報士は言った。 わたしには見えなかった。 回転する洗濯機の鼓動を聴いていると、 朝は赤くやって来た。 焼却炉の煙は、 いや、蒸気かもしれないけれど、 まっすぐ昇ってゆく。 唇が外気を感じて、 言葉は失わ … 続きを読む

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現実味

年が明けると そこには新しい年の世界が広がっているが、 私には現実味がない。 ひとは常に明けており、 常に新しい世界が広がっている。 だから、何かが新たに明けた気がしないのだ。 それが、私にとっての現実味というものだろう … 続きを読む

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LP

この頃またレコード盤を聴いている。 時々、中古レコードショップに行って 古いレコードを買って来たりしている。 最近、アナログレコードが流行っているとニュースで聞いた。 新譜をレコード盤でも出すアーティストが増えているのだ … 続きを読む

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睦月

この頃、突然日が暮れるような気がする。 以前からこのような日の暮れ方だっただろうか。 何だか時間の感覚がおかしくなったのかもしれない。 とにかく太陽をどぼんと沈めるように 日が暮れてしまうものだから 私は光と時間の感覚が … 続きを読む

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