霜月

太陽に匂いなどないはずだけれど、
太陽の匂いを知っているような気がする。
文化の日。
空は青かった。
こうして高くなってゆくのは
空なのか私なのか。
湿度計を見ると針は
三十パーセントのところを指している。
どうりで足が乾くわけだ。
ここ数年
ニベアの何とかミルクというボトルを買っているが
最後まで使い切ったためしがない。
つまりそれが
冬の長さというものなのだろう。
今年の在庫は
あと少ししか残っていない。
エジプトの猫は
今日も闘っているだろうか。
三匹の子供を従えて。
勝ち取らなければならないものは何だろう。
私は枕を干した。
何か文化的なことをしたのかと問われれば
何もかも文化だろう、と答えるだろう。

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