ディスタンス

膨らんだ月が
空にあることを
どうしたものかと
ベランダから見ていると
雲がそれを隠す。

取り出したものが
おかしなものだったなら
それは取り出し方が
悪いのだと思う。
箱の中では確かな形を持たず、
取り出す時に形は作られる。
上手な取り出し方は
たくさんのものを救う。

いつの間にか風は冷たくなっている。
突然に北風は吹き始めて、
草木を揺らして看板を飛ばす。
私は灯りの下で
足の爪を切っている。
そうして冬は私に来る。

遠ざかってゆくことが
宇宙の旅だと思う。
kokoという曲を繰り返し聴いて
偶然に作られるものではなくて
願いを形にしてゆくことが尊いと知る。

そこには白色のノイズが混ぜられている。
自由に線が引けるように。
混沌としているときは
どのようにしてもよいということだ。
確かゆうべ
スキップについて話した。

カテゴリー: 諸行無常 パーマリンク