色彩

光の展示を見て歩く。
色の感じが違うのは
建物の形状と密集の度合いが
違うからなのだろう。
どこまでも続く石畳の上を
歩きながらそんなことを考えていて、
これは見えるものだが、
見えないものも
このように違っているのではないか
ふと
そんなふうにも思った。

九月を使い果たしてしまうと
ことし
というものは、あと三つの月が
残っているだけである。
残っているものが惜しいと思うのは
なんと卑しいことだろう。
ほんとうは
何もかも残り少ないのに。

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