およそ三十くらいの数字が書いてある
紙をめくると
八月の世界が目の前に現れる。
そこにはエジプトの猫が佇んでおり
足をそろえて海を見ている。
いや、人を見ているのかもしれない。
魚を探しているのかもしれない。
夏は塩の匂いの中に溶けている。
オゥガスト
待ち望むことはもうなくなってしまったが、
青くて広い海を
波の音を
聴きたいとは思う。
目が覚めると私はかわいている。
冷蔵庫から炭酸水の入ったボトルを取り出して
グラスに注ぐ時
はじける音とともに
ゆうべの夢が薄くなってゆく。
満たされたい、と私は思っているのだろうか。
人のことも、自分のことも
何も分からない。
自分にとって
よくないものや人を排除することに
躊躇してはいけない
というような一文を目にして。
ほんとうにそうだとも
そうではないとも思わないのは
そのようなことを考えたことがなかった
ということなのである。
そう、排除することなど考えていないのだ私は。
排除されることは考えても
自分から取り除くことは考えていない。
そういうことか。
と私は思った。