月別アーカイブ: 2015年7月

いくつもの蝉の林を抜けて もくもくと高層に伸びる入道雲を見る。 ひぐらしの時間 色づいた綿菓子は崩れつつある。 まもなく闇のカーテンが引かれるのだ。 君は雷鳴を聞いただろうか。 ネクターの空気の中を 通り抜けてきたのだ。 … 続きを読む

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夏はどうか

子供のころ、私は夏が好きなんだ、と思っていた。 しかし、そうではなかった。 私は「休み」が好きだったのだ。 当面学校に行かなくてよい、ということが 夏に対する感謝のような気持ちとなって 夏が好き、というような 短絡した表 … 続きを読む

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波紋

天気図から前線が消えている。 せめぎあわない世界。 ストレスのない世界でもあるが、 際限なく押し進めてしまう ということでもあるだろう。 それにしても、天気を「図」で表すことを 始めたのは誰だったのだろう。 それは気圧の … 続きを読む

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ディスクリート

梅雨は明けたとみられる 予報士はまたしても曖昧な言葉を綴った。 しかし灼熱は確かにそこここにあって ガス入りの水が似合う季節になっている。 星には星の軌道があって それを進まざるをえない。 離れたり近づいたりするのは単に … 続きを読む

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こころ

暑いと感じているのは 心ではなくて、体である。 嫌だなと感じているのは 心ではなくて、体である。 悲しみを感じているのは 心ではなくて、体である。 喜びを感じているのは 心ではなくて、体である。 そういうことを分かってい … 続きを読む

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ぴーなっつ

深夜のスーパーには危険なものが沢山ある。 たとえばそれはお徳用ピーナッツの大きな袋である。 気付くと籠に入っている。 そんなものを買うつもりはないのだが、 そんなことを言わないで連れてってくださいよ と、彼は言うのである … 続きを読む

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小暑

未来のことよりも 過去の方が増えてしまった。 笹舟に乗せて 川に流しても きっと海までは辿り着かないだろう。 誰もがそんなことを知りながら 見送るものが夢だろう。 夢は見る物ではなくて 実現するもの、と誰かが言ったそうだ … 続きを読む

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