入梅2015

梅雨に入ったとみられる。
またしても予報士は長方形の窓の中で
そのような微妙な言葉を発していた。
季節というのはいつだって
何となく始まるものなのだろう。
肌に触れる空気は重さを増していて、
ベランダに立つ私に絡みついてくる。
六月の憂鬱は森のように広がっていて、
私はぽつんとそこを歩いている。

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