月別アーカイブ: 2015年6月

私の使用法

気付くといつもベッドの上に戻っている。 たぶんここが定位置。 タイムマシンに乗って毎日 出掛けてゆく私を知っている。 歩いている私。 空を見上げている私。 仕事をしている私。 あなたと話している私。 暗い道を歩いている私 … 続きを読む

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夏ニ至ル

世界が夏に至った日 私は油の切れたギアを回転させて 坂道を登っていた。 空気は私に向かって流れていたけれど、 不必要な水分をたっぷり含んでいて 限定された範囲の未来について 憂いを感じなければならなかった。 それは所謂、 … 続きを読む

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回転

レコード盤をターンテーブルにのせて スタートボタンを押し、針を落とす。 それから、ソファーに座って本を読み、 およそ二十分かそこらの後に 私はまた、レコード盤をターンテーブルの 上でひっくり返したり、取り替えたりして 同 … 続きを読む

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入梅2015

梅雨に入ったとみられる。 またしても予報士は長方形の窓の中で そのような微妙な言葉を発していた。 季節というのはいつだって 何となく始まるものなのだろう。 肌に触れる空気は重さを増していて、 ベランダに立つ私に絡みついて … 続きを読む

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水無月

薄く開けた窓の隙間から 水無月なりの冷気が流れ込んで 部屋に展開していた。 薄いタオルケットだけで眠っていた私は 寒さで目が覚めた。 足を擦り合わせて暫く耐えていたけれど、 別に耐える必要などないのだと思い立って 起き上 … 続きを読む

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