光について

ハケで塗りたくったような朝のこと、
そこらじゅうに光が溢れて、
バス停に向かう私の足取りは
バネを仕込んでいる。
出がけに急いで珈琲を入れて
水筒に詰めたのだが、
それをテーブルの上に置いたまま
部屋を出てきてしまった。
私は仕事をしながら、
水筒の事を考えていた。
ただ、冷めてゆく水筒のことである。

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