ローム

年末からイタリアに行っていた。
私にとっての正月の形
すなわち何かとの関わり合いというのは
十分に損なわれつつあるので、
どのような場所にいても構わないと
この頃は思っている。
しかし、ローマに着いてしばらくしてから
高熱を出してしまって
ホテルで寝込んでいた。
「観光」というものに
思ったほど興味のない私にとっては
それほど痛手ではないが、
私はいったい何をしているのだろうか
という疑問と添い寝する年末年始となった。
それでも何とか少し街を彷徨って、
過去の物語をなぞってみたりした。
何千年も残って
私に見える物は
石ばかりだった。
石以外のものは何も見えなくなってしまう
それが事実だった。

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