月別アーカイブ: 2014年10月

冬星

ベランダでよく冷えた洗濯物を 夜が更けてから取り込んでいると、 オリオン座が昇っているのが 私にはよく見えました。 それは幼い頃に見たオリオン座と同じでした。 同じように見えました。 星にとって私の生きてきた時間は ほん … 続きを読む

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そして私の舞台は暗転してから 風が吹いています。 どちらから風が吹くのかということが 様々なことを変えてゆくのでしょう。 「木枯らし」という言葉は 冷たさよりももっと別のものが 含まれているように思います。 それはメジャ … 続きを読む

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神無月

南からの風でした。 ベランダからそれは入り込んできて レースのカーテンを持ち上げていました。 日曜日というものの価値は たぶんこのようなことなのだろうと 私は思いました。 それは揮発性の液体のように とてもはかないものな … 続きを読む

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線による伝送

テレビばっかり見ていると馬鹿になる。 小さい頃そんなことを言う大人が多かった。 しかしその理由を誰も説明できなかった。 私は今頃になって その理由が何となくわかってきた。 馬鹿になるというのではなくて、 人に想いを伝える … 続きを読む

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30ml

隣の席に上司が座っている。 彼は同い年である。 朝、私と彼は別々の場所で 同じ麦茶のペットボトルを買ってくる。 この頃、お茶のペットボトルというのは 増量競争をしているようだ。 私の買うペットボトルには「増量600ml」 … 続きを読む

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月蝕

月は赤くなっていた。 それは羞恥ではない。 それは燃えているわけではない。 なぜ赤いのか、 科学的に説明することはできるだろう。 しかし科学もまた万能ではない。 なぜなら 分かっている道具で考える学問だからである。 分か … 続きを読む

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悟り

言葉にならないことを 悟りと言ってもいいだろう。 言葉にすれば 単純なことなのだけれど その言葉が 現している一般的な意味と まったく違うものを 感じている。 日常的な悟り というものがあるのだと思う。 日常的な悟りを … 続きを読む

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距離

十月になると 何かが変わっている。 しかし、最近 ニュースというものにくたびれてしまって それは 夏の疲れのように 癒やされるときが来ればいいのだけれど。 人々は大きなテレビで くっきりとした画像で ニュースを見るように … 続きを読む

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