月別アーカイブ: 2014年9月

根底

長崎を旅していました。 遅い夏休みだったのです。 「いつか」などというものは ほぼ永遠に来ないことを知っているので、 行くことにしたのです。 祖父が島原の生まれだということを 知ったのはそんなに昔ではありません。 しかし … 続きを読む

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倫理

「みなさん」と彼は言った。 十万円の仕事があって、私は車で行ったとします。 でも駐車場はなかった。 約束の時間はぎりぎり。 早く行かないと十万円貰い損ねる。 路上は駐車禁止。 でも裏通りに違法路駐している車が沢山あって、 … 続きを読む

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あこがれ

オートバイに乗りたかった。 中高生の頃。 動力に跨がってその力を操りたかった。 それはひとつの自己拡張である。 そしてどのようにカーブを曲がって、 彼方まで走り抜けてゆくのか。 どのように風とひとつになるのか。 霧のター … 続きを読む

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長月

九月の扉が開くと、 印刷装置の黄色いインクが切れている。 私にとってはそのようなひとページである。 しかし九月は 雨の季節でもあることを 忘れないで欲しいと空は言うのだ。 安物の傘は何処かが壊れていて、 柄を伝って雨が漏 … 続きを読む

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